新会社法で何が変わった?

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(1)会社設立

最低資本金制度の廃止
新会社法では、会社の設立に際して出資すべき額についての下限額の制限が撤廃(出資額規制の撤廃)されたため、資本金1円で株式会社を設立(いわゆる1円起業)できることになりました。

類似商号規制制度の廃止
新会社法では、「類似商号規制」について、会社の設立手続を簡略化するなどの観点から廃止されました。

払込金保管証明提出制度の廃止
発起設立によって会社を設立する場合は、「払込金保管証明書」は必要なく、銀行の残高証明でいいことになりました。

(2)会社類型の再編・新設

株式会社と有限会社の統合
会社法の施行によって、有限会社という会社形態は無くなりました。会社法の施行前から既にあった有限会社は、株式会社として存続することになります(この会社を「特例有限会社」といいます)。

合同会社(LLP)の新設

(3)取締役、取締役会

書面やインターネットで取締役会決議(要定款変更)
書面やインターネットでの取締役会決議が可能になったため、役員が出張がちや緊急用件が頻発する(する可能性がある)などの理由で、定款変更をする会社が増えています。

取締役会の決議範囲の拡大
特別取締役の創設

(4)情報開示

内部統制システム
新会社法では大会社に内部統制システム(企業が粉飾決算などの不正決算を行わないように社内でチェックする仕組み)の設置が義務づけられました。

社外取締役の選任理由や活動報告
会社法の施行によって企業には従来より多くの詳しい情報開示が求められています。

買収防衛策を株主総会で報告
M&A(企業の合併・買収)の対価の内容や算定根拠

(5)株主総会

開催手続が簡単
開催場所の選択肢が拡大
インターネット活用範囲の拡大

(6)株主への利益配分

利益配当は何回行っても良い(要定款変更)
剰余金の配当は、いつでも、株主総会の決議によって決定することができるようになりました。

(7)資金調達

社債発行の機動性が向上しました
これまで、有限会社等では少人数私募債を利用できませんでしたが、新会社法ですべての会社に活用の道が開かれました。

(8)監査

会計監査人も株主代表訴訟の対象
社外監査役にも責任限定制度
会計参与制度の創設

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日本版SOX法の目的

日本版SOX法(金融商品取引法)は、証券市場におけるディスクロージャー(情報開示)の信頼性を確保することを目的としているため、内部統制のうち財務報告目的に制度上の焦点が絞られています。

日本版SOX法(金融商品取引法)で求められることは次のとおりです。

@経営者は、企業内に有効な内部統制のシステムを整備・運用することにより、財務報告における記載内容の適正性を確保すること。

A財務報告に係る内部統制について、その有効性を自ら評価し「内部統制報告書」として投資家に向けて開示すること。

Bその評価の方法や結果が適正であるか監査を受けること。

投資家の自己責任原則を全うするためにも適切なディスクロージャー(情報開示)へのニーズの高まっているためにも財務報告に係る内部統制の整備は不可欠です。

日本版SOX法の内部統制

日本版SOX法(金融商品取引法)の基礎となる内部統制は以下の目的と基本的要素から構成されています。

目的
┣業務の有効性及び効率性
┣財務報告の信頼性
┣事業に関わる法令等の順守(コンプライアンス)
資産の保全

要素
┣統制環境
┣リスクの評価と対応
┣統制活動
┣情報&伝達
┣モニタリング
┗ITへの対応

日本版SOX法は、米国のCOSO(トレッドウェイ委員会支援組織委員会)報告書の内部統制の枠組みを踏襲しつつ、日本の実情を反映し、COSO報告書の目的と要素にそれぞれ「資産の保全」、「ITへの対応」を加えたものです。

内部統制の2つのルール

内部統制には大きく分けて2つのルールがあります。

一つは、既に施行された新会社法によって、大会社に内部統制システムの設置が義務づけられたことです。
次に、いわゆる「日本版SOX法」といわれる金融庁が進める内部統制制度で、投資家保護を目的に証券取引法などを改正・再編した「金融商品取引法案(通称、投資サービス法案)」に企業の情報開示に規律を与える手段として盛り込まれたものです。
原則「すべての上場企業」に内部統制システムの導入を義務付けるとともに、
・毎年の決算ごとに経営者による「評価」と
公認会計士による「監査」
を義務付けた点が特徴です。

上場企業に対する内部統制システム導入の義務付けは、2008年4月1日以降に始まる事業年度から適用される見通しです。

内部統制システム

新会社法の内部統制システムとは、「企業が粉飾決算などの不正決算を行わないように社内でチェックする仕組み」のことです。
新会社法では、大会社に「内部統制システム」の設置が義務付けられています。

新会社法で「大会社」とは、

◎資本金5億円以上の会社
または
◎負債が200億円以上の会社(資本金額に関わりなく)

のことです。

内部統制システムの不備で会社に損害が発生した場合は、取締役の善管注意義務違反となります。
一方、内部統制システムが適切に構築・運用されているか監査するのは、監査役の善管注意義務です。
これを怠ると、やはり監査役の善管注意義務違反となります。
もし、株主代表訴訟を起こされて敗訴した場合は、善管注意義務である取締役と監査役は多額の損害賠償を求められる可能性があります。

ただ、実際に企業の指針となるべき「会社法施行規則」においても内部統制システムの構築水準について明確にされていません。
新会社法 第362条4項6号を具体的に規定した会社法施行規則第100条においても

@取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
A損失の危険の管理に関する規程その他の体制
B取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
C使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
D当該株式会社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制

を決議しなさいと述べているに過ぎないため、内部統制システムの構築水準については各会社において判断する必要があります。
内部統制システムに関する決議をしなかったり、または決議だけをして実行できなかったりした場合は、株主代表訴訟に持ち込まれるリスクが従来より格段に高まっていることだけは事実です。

新会社法と日本版SOX法

内部統制には大きく分けて2つのルールが並存します。

既に施行された新会社法によって、大会社に内部統制システムの設置が義務づけられました。

日本版SOX法は金融庁が進める内部統制制度で、投資家保護を目的に証券取引法などを改正・再編した「金融商品取引法案(通称、投資サービス法案)」に企業の情報開示に規律を与える手段として盛り込まれました。

原則「すべての上場企業」に内部統制システムの導入を義務付けるとともに、

・毎年の決算ごとに経営者による「評価」
公認会計士による「監査」

とを義務付けた点が特徴です。

上場企業に対する内部統制システム導入の義務付けは、2008年4月1日以降に始まる事業年度から適用される見通しになっています。

取締役会の書面決議

これまで、取締役会は直接意見交換して意思決定する必要があるとの考えから会議を省略することはできませんでした。

新会社法では、機動的な会社経営の実現を図るニーズの高まりを受け、書面上での決議(いわゆる「書面決議」)が認められています。

<決議条件>

取締役会の決議目的である事項について、取締役の全員が持ち回りの文書または電子メールなどによってその内容に同意をし、かつ、監査役(業務監査権限を有する監査役がいる場合)が異議を述べない場合に決議が成立します。

ただし、すべての取締役会を書面決議でできるわけではなく、代表取締役等が3ヶ月に1回以上行わなければならない取締役会への業務執行状況の報告については、実際に取締役会を開催する必要がありますので注意が必要です。

書面決議によって、遠方の取締役の移動コストなどが削減できるのもメリットの一つ!

取締役会の権限

取締役会は、次に掲げる職務を行います。

(1)取締役会設置会社の業務執行の決定
取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役(代表取締役、業務執行取締役)に委任することができません。

1.重要な財産の処分及び譲受け
2.多額の借財
3.支配人その他の重要な使用人の選任及び解任
4.支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止
5.募集社債の総額その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項
6.法令遵守(コンプライアンス)及び内部統制システムとして法務省令で定める体制の整備
大会社である取締役会設置会社では、取締役会はこれを決定しなければなりません
7.定款の定めに基づく役員の会社に対する責任の免除の決定

(2)取締役の職務の執行の監督
取締役会設置会社で実際に業務を執行するのは代表取締役又は代表取締役以外の取締役であって、取締役会の決議によって取締役会設置会社の業務を執行する取締役として選定されたもの(業務執行取締役)です。

取締役会はこれらの職務の執行を監督します。そのため、業務を執行する取締役は、3箇月に1回以上、自己の職務の執行の状況を取締役に報告しなければならないとされています。

(3)代表取締役の選定及び解職
取締役会は、取締役の中から代表取締役を選定しなければなりません。

(4)取締役会設置会社と取締役間訴訟における会社の代表の決定
会社と取締役間の訴訟につき、取締役会は、株主総会が会社を代表する者を定めた場合を除き、取締役会設置会社を代表する者を定めることができます。

取締役の過失責任と無過失責任

会社法では、取締役は、次のような行為によって会社に損害を与えた場合、他の役員等と連帯して損害賠償等の責任を負うこととされています。

@違法配当
分配可能額を超えて剰余金の配当を行うような場合。

A利益供与
株主の権利行使に関して、株主に対し金銭その他の財産を供与するような場合。

B利益相反取引
取締役と会社の利益が相反する取引を行うような場合
※原則取締役会決議が必要

C法令・定款違反
法令や定款に違反するような行為を行うような場合。

@〜Bの行為は、従来、無過失責任とされていましたが、新会社法で原則”過失責任”となり、不注意やミスがない(無過失)場合は責任を負わなくなります。

※不注意・ミスがない(無過失)ことの証明は、取締役が行う必要がある。
※自ら利益供与や自己のための利益相反取引を行った取締役は、無過失責任となります。

社外取締役

社外取締役とは、取締役会の監督機能強化を目的として、会社の最高権限者である代表取締役などと直接の利害関係のない独立した有識者や経営者などから選任される取締役のことです。

社外取締役となるためには、次の条件があります。

@過去にその会社またはその子会社の業務執行取締役や執行役、支配人、その他の使用人となったことがない。
A現在もその会社またはその子会社の業務執行取締役や執行役、支配人、その他の使用人となっていない。

また、社外取締役の法的効果については、大きく分けて次の3つがあります。

(1)委員会の設置や特別取締役の選定の前提となる。
@委員会設置会社になる前提として、各委員会の委員の過半数を社外取締役にしなければならない。
A特別取締役を選定する前提として、取締役のうち1人以上社外取締役がいなければならない。

(2)取締役としての責任を軽減することができる。
@株主総会・取締役会の決議による一部免除の範囲が年収の2年分
A責任限定契約を締結することができる。

(3)事業報告に、その活動状況等を記載しなければならない。

また、会社法では、現行商法よりも社外取締役の登記の簡素化を行っており、(1)および(2)のAの場合に限って、社外取締役についての登記義務があり、それ以外の場合には、特に登記をする必要がありません。
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